秋には
夜になると
窓を開けて
虫の声を聞きつつ
眠りに入る
部屋の中も外も境目なく
深い闇にすっぽりと包まれて
静かに時が過ぎてゆく
終ることを必然に
世界は新しくなってゆき
重ねられた時は
記憶のなかで熟成していく
だから
後ろを振り返るとき
さよならした世界は
いつだって優しい